株式会社アドバンスゲート

COULUMNコラム

キャリコンにしだと
スーちゃんの心理学コラム(42)

目的を見失うと、手段が自分を追いかけてくる?

にしだ スーちゃん、前回の心理学コラムで「研修を受けることが目的になると、学びが現場に活かされにくい」という話をしたよね。

スーちゃん はい。研修って本当は、日々の業務に活かすためのものなのに、
「受講した」「終わった」で満足してしまうことがある、
という話でした。

にしだ そうそう。先日、企業研修をさせていただいたときにも、「目的と手段」について触れたんだ。
ただ説明するだけではなく、参加者の皆さんにまず意識化し、体感してもらうことを大切にしたんだよ。

スーちゃん 意識化して、体感する…。
「目的と手段は違います」と聞くだけでは足りないんですか?

にしだ 頭では理解できても、日々の業務で気づけるかは別なんだ。
研修で「あ、これって自分たちの職場にもあるかもしれない」と感じることで、現場に戻ったときにも思い出しやすくなる。

スーちゃん なるほど。
知識として覚えるだけじゃなくて、自分の業務に置き換えて感じることが大切なんですね。

にしだ そうだね。
たとえば、会議、報告、チェックリスト、マニュアル、研修。
どれも本来は何かの目的を達成するための手段だよね。

スーちゃん 会議なら情報共有や意思決定のため。報告なら状況を把握するため。
チェックリストならミスを防ぐため、ですね。

にしだ その通り。
でも忙しくなると、「会議を開くこと」「報告書を出すこと」「チェック欄を埋めること」自体が目的になってしまうことがある。

スーちゃん 「やりました」「出しました」「終わりました」で安心してしまう感じですね。

にしだ うん。しかも、これは怠けているから起きるわけではない。
むしろ真面目に取り組んでいる人ほど、目の前の手段をきちんとこなそうとして、目的が見えにくくなることがあるんだ。

スーちゃん 真面目にやっているのにズレてしまう…。それは気づきにくいですね。

にしだ だからこそ、研修で一度立ち止まる時間が必要なんだ。
「この業務は何のため?」
「今のやり方は目的に合っている?」
「手段だけが残っていない?」
こうした問いを持てるようになることが、現場での小さな変化につながる。

スーちゃん 研修の中で気づいたことが、日々の業務に反映されていくんですね。

にしだ そう思う。
たとえば、会議の最初に目的を確認する。報告書を書く前に「誰が何を判断するための報告なのか」を考える。チェックリストを使うときに「何を防ぐための項目なのか」を確認する。
こうした小さな確認だけでも、仕事の質は変わってくる。

スーちゃん 大きな改革じゃなくてもいいんですね。

にしだ うん。
研修で大切なのは、「いい話を聞いた」で終わらせないこと。
参加者自身が、自分の業務や職場に置き換えて考えられると、学びは現場に持ち帰られやすくなる。

スーちゃん まさに、自分ごとになるということですね。

にしだ そうだね。
そして、目的と手段がズレる要因の一つに、「伝わっているだろう」「分かっているはず」という思い込みがある。

スーちゃん 「だろう」と「はず」…。
職場でもよくありそうです。

にしだ たとえば、上司は会議の目的を共有したつもりでも、部下は「報告する場」だと思っている。
担当者はチェックリストの目的を理解しているつもりでも、新しく入った人は「埋めればいいもの」だと思っている。
研修担当者は「現場で活かしてほしい」と思っていても、参加者は「受講すれば完了」と受け取っていることもある。

スーちゃん 同じ場にいても、目的の受け取り方が違うんですね。

にしだ そう。だから、目的は一度言えば終わりではなく、必要な場面で確認し直すことが大切なんだ。
「今日の会議は、決める場なのか、共有する場なのか」
「この報告は、記録のためなのか、判断のためなのか」
「この研修は、知識を得るためなのか、行動を変えるきっかけにするためなのか」
こうした確認があるだけで、手段の使い方が変わってくる。

スーちゃん 目的がそろうと、手段の意味もそろいやすくなるんですね。

にしだ その通り。
少し補足すると、これはキャリア支援や面談でも同じだと思っている。
質問は相手を理解するための手段だけど、質問の意図が伝わっている「だろう」と思い込むと、相手が違う意味で受け取ることがある。
だからこそ、「何のために聞くのか」「相手にどう届いているのか」を確認する視点は大切なんだ。

スーちゃん 面談でも、研修でも、日々の業務でも、目的を共有することが大事なんですね。

にしだ うん。
研修は、受けて終わりではなく、現場で思い出され、使われていくことで意味が深まる。
そのために、まずは意識化する。
そして体感する。
そこから日々の業務に少しずつ反映していく。
この流れを大切にしたいと思っているんだ。

スーちゃん なるほど…。
研修って、「その場で学んだかどうか」だけじゃなくて、あとから現場で「あ、これ研修で考えたことだ」って思い出せることも大事なんですね。

目的と手段も、頭でわかったつもりになるだけじゃなくて、体感して、自分の仕事に置き換えて、少しずつ行動に反映していく。
そう考えると、研修は“終わり”じゃなくて、日々の業務を見直す“始まり”なんだなって思いました。


スーちゃん「目的と手段」って、言葉ではわかっているつもりでも、仕事の中ではすぐにズレてしまうんだね。だからこそ、研修でただ聞くだけじゃなくて、「自分の業務にもあるかも」と意識して体感することが大切なんだなぁ。忙しいときほど「これは何のため?」って立ち止まれる人でいたいです。

アドバンスゲートでは、キャリア支援や保険相談だけでなく、企業向けの業務改善研修・人材育成支援も行っています。

国家資格キャリアコンサルタントの視点を活かし、企業向けの研修・人材育成・キャリア支援を行っています。
知識を伝えるだけで終わらせず、参加者が意識化し、体感し、日々の業務に反映できる研修づくりを大切にしています。


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