株式会社アドバンスゲート

COULUMNコラム

キャリコンにしだと
スーちゃんの心理学コラム(39)

部下のために答えを言わない―それを「育成」と呼ぶ上司と「親切の押し売り」と感じる部下

にしだスーちゃん、最近こんな相談を受けたんだ。
「上司が全然答えを教えてくれないんです。『まず自分で考えて』って言われるんですが、何をどう考えればいいのか分からなくて…」って。

スーちゃんああ…それ、よく聞きます。「答えを教えるのは部下のためにならない」
「自分で考える力をつけてほしい」っていうやつですよね。

にしだそうそう。上司の頭の中では、こんな理屈になっていることが多い。

  • 自分で考える力をつけてほしい
  • 指示待ち人間になってほしくない
  • 将来のために、あえて答えを言わない

言葉だけ聞くと、立派な育成論に聞こえる。

スーちゃんでも部下からすると、「ただ教えてくれない人」に見えることもありますよね。

にしだその通り。そして、ここでよく起きているのが目的の未共有なんだ。
上司は頭の中で「自分で考える力をつけてほしい」と思っている。

でも実際に部下に渡される言葉は「まず考えてみて」だけだったりする。

スーちゃんあ、それあります。
上司って、目的を言ってないのに「言ったつもり」になってることありますよね。

にしだあるね。でも大事なのはここ。
目的があることと、目的が伝わっていることは別なんだ。

上司の中で筋が通っていても、相手に共有されていなければ、
それは育成というより察してほしいマネジメントになってしまう。

スーちゃんしかも仕事って、学校の宿題じゃないですもんね。期限もありますし…。

にしだそう。
仕事は「育成の場」である前に、成果を出す場でもある。
だから部下からすると「成長のために遠回りしよう」ではなくて「まず仕事を進めたいんですけど…」になる。

スーちゃんそれ、すごくリアルですね。

にしだそして、この違和感が一番強くなるのが中堅社員なんだ。
新人なら「分からない自分が悪いのかな」と思いやすい。でも中堅になると、仕事の流れも見えてくる。
すると、こんな本音が出てくることもある。

誰があなたに、育ててくれって頼んだんですか?

スーちゃんうわぁ…。でも、それ言いたくなる気持ちは分かります。

にしだ中堅社員にとって、上司の言う「育てる」は必ずしもありがたいものじゃない。
むしろ

  • 仕事は止まる
  • 答えはもらえない
  • 結局あとでやり直し

となれば、
「育成」と言われてもただ仕事が進まないだけに見えてしまう。
場合によっては、親切どころか迷惑なんだ。

スーちゃん「部下のため」って言いながら、部下の負担が増えてることもあるんですね…。

にしだそうなんだ。しかももう一つある。「教えないこと」を高度な育成のように語る上司ほど、実は教える技術を持っていないこともある

スーちゃんそれ、ちょっとドキッとする人いそうです…。

にしだ本当に育成が上手い人は、ただ答えを隠したりしない。
例えば

  • 相手がどこまで理解しているか確認する
  • 必要な前提を補う
  • 考える順番を示す
  • フィードバックする

こうやって、少しずつ考えられるように支える。

スーちゃんただ「考えろ」って言うだけじゃ、
崖に立たせて「登れたら成長」って言ってる感じですね…。

にしだしかも登れなかったら「主体性がない」「考える力が足りない」と言われることもある。
でも、必要な前提も目的も渡していないのに「考えられない側が悪い」とするのは、ちょっと乱暴だと思うんだ。

スーちゃん説明不足の責任まで部下が背負っていることもありますね…

にしだだから育成で大事なのは「答えを言うか、言わないか」じゃない。
だから本当に必要なのは、
答えを隠すことじゃなく、目的を共有し、環境を整え、安心して考えられる状態をつくることなんだ

そこを飛ばしたままの「育成」は、部下にとって“親切の押し売り”に見えてしまうことがある。だからこそ、気をつけていきたいよね。


スーちゃん

「自分で考えろ」って、正しい言葉に聞こえていました。
でも目的もないまま投げられたら、それは育成じゃなくて迷子製造機かもしれません。

「部下のため」という言葉が、本当に相手のためになっているのか。
一度立ち止まって考えたいですね。


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