スーちゃん、最近よく聞く言葉に「心理的安全性」ってあるよね。
あります!「何でも言っていい職場を作ろう!」って、研修でもスローガンでもよく見ます。
そうそう。でね、現場から聞こえてくる“「あるある 」が、あるんだ。
あるある”が、ある…!
にしださん、それ言いたかっただけじゃないですか?(笑)
で、その「あるある」とは…?
「何でも言っていいよ」って言う上司ほど、 「何でも」じゃない。
うわ…それ…
「なんでもいいよ」って言われて
「じゃあ、おやつにしよう」って言ったら、
『え、今は気分じゃない』って返されるパターンと同じですね。

そう、それそれ。
「なんでもいい」=「でも正解は当てろ」のやつ。
職場でやると、部下は一瞬で黙る。
「自由に意見言って」って言われて言ったら、 『いや、それは違う』『そういうことじゃない』って…。
それ、自由じゃなくて上司の正解当てクイズですね。
まさにそれ。心理的安全性を雰囲気だと思ってる人ほど、 実態は「正解当てゲーム」になりがち。
でも上司って、悪気なく言ってることもありますよね?
うん。悪気がないのが一番やっかい。
人は言葉よりも「何が起きたか」で学習するからね。
学習…?
たとえば、会議で勇気を出して言った一言。
部下「この施策、現場的には回らないかもしれません」
上司「じゃあ、代案出せるの?」
部下「この工程、リスクが高いです」
上司「不安を煽るな」
部下「顧客からこういう声が…」
上司「それ、君の言い方が悪いんじゃない?」
こういう返しが続くと、部下は覚える。
「言う=損」だって。
ひぇ…。 言っていいのは、上司が気持ちよくなる意見だけ…。
そう。ここは心理学でいうオペラント条件づけに近い。
言った結果が罰なら、人は次から言わない。
「意見を言う → 嫌な目にあう → 次から黙る」これが職場の文化になる。
しかも上司側は「最近、誰も意見言わないな」って言いがち。
いや、言えないようにしたの誰ですか、って言いたくなりますよね。
そうなんだよ。 ここで起きるのが、もう一つの心理学。
認知的不協和だね。
出ました。
「安全だと言われている」 でも 「言うと危険」
この矛盾に人は耐えられない。 だから多くの人は、自分の行動を変える。
「この会社では、黙っているのが正解だ」って。
なるほど…。 「心理的安全性」って言葉があるほど、現場が安全じゃないとしんどいですね。
そう。言葉がキラキラしてるほど、ギャップは刺さる。
そして地味に心を削る。
でも、「心理的安全性」って結局なにが本質なんですか?
質問してもいい 、失敗を報告してもいい 、違う意見を言ってもいい。
こういう「行動の安全」があること。
「優しい職場」って意味じゃないんですね。
その通り。 むしろ心理的安全性がある職場ほど、議論は起きる。
安全だから、ぶつかれる。
逆に、シーンとしてる会議は危険信号…。
そう。 沈黙は同意じゃない。 沈黙は防御のことが多い。
うわ、刺さる…。
でね、大事なのはここ。 心理的安全性は「宣言」ではなく「経験」でつくられる。
たとえば、部下が勇気を出して言ったときに、上司がこう返す。
上司「そう見えてるんだね。どこが一番の懸念?」
上司「ありがとう。言いづらかったよね」
上司「一緒に改善案を考えよう」
こういう積み重ねが、安心になる。

つまり、上司の「返し」が全て。
そう。 逆に壊すのは一瞬。
怒鳴る・皮肉・人格否定・評価で報復。
これ、1回でも起きると沈黙が増える。
「何でも言っていいよ」って言いながら、 言った人を狩るのは最悪ですね。
うん。心理的安全性を欲しがる上司ほど、 実は「自分が傷つかない環境」を求めてることがある。
えっ…。
「反対意見は出していい」じゃなくて、 「反対意見は出すな、でも出してるフリをしろ」みたいな。
民主主義っぽい独裁…。
そう。 だから、働く側としては一つ覚えておいてほしい。
本音が言えないとき、 それはあなたのコミュ力不足じゃなくて、 環境の仕様の可能性がある。
環境の仕様…。
人は安全じゃない環境では、能力じゃなく防御にエネルギーを使う。
しんどい職場で「私が弱いのかな」って思ってた人に、届いてほしいですね。
うん。 もし今、 「言うのが怖い」 「黙ってたほうが安全」 そう感じているなら、一度立ち止まっていい。
その感覚は、あなたの直感じゃなく、 これまでの“経験”が教えてくれたサインかもしれないから。

「なんでも言っていいよ」って言葉、安心できる魔法みたいに聞こえてました。 でも本当は、言った後に何が起きるかが全部なんですね。
「なんでもいい」って言いつつ、何でもよくない人に合わせ続けると、
だんだん自分の声が小さくなっちゃう。
だから私は、ちゃんと話せる場所を選びたいし、 もし今しんどい人がいたら「それ、あなたのせいじゃないかも」って伝えたいです。
キャリア支援と保険相談を組み合わせたキャリア面談で、立場を越えた働き方を一緒に整理してみましょう。