にしださん…実はこの前、後輩がすごくリアルな話をしてくれて。
「異動って、ほんと花いちもんめなんですよ…」って。
花いちもんめ…? それはまた、気になる表現だね。
はい。後輩の前の職場、大所帯の会社だったらしくて、ジョブローテが制度としてあって。
だいたい原則3-5年で異動するって建前はあるのに、実際は“出したくない人”はずっと同じ部署。
一方で“出したい人”は、1年で異動させられる。もうトレードですよ、部門間の…って。
なるほど。それは、制度の名を借りた“人事取引”だね。
しかも、社員の間では「あの人、また1年で異動?」「ああ、あの枠の人ね」って、レッテルまで貼られてて…。
目立つんですよね、1年で異動って。噂が噂を呼んで、そういう人の評価はどんどん歪んでいくらしくて。
ああ…それは“制度疲労”と“組織の陰口文化”が合体したような話だね。
制度は「公平性」を装っていても、運用で「不公平」が生まれる。そうすると、そこに“語り”が生まれる。
その語りがまた、他人のキャリアを縛ってしまう。
そうなんです。後輩も3年目で異動の話が出たらしくて、本人も「やっと異動できる」って期待してたら…上から「今は出せない」で立ち消え。
そんなのが何回も続いて、最終的には丸6年以上同じ部署だったそうです。
異動の度に「行けるかも」と期待させて、結局裏切られるって…心理的にはかなりのダメージだよね。
“希望”が“失望”に変わる。それを6年続けたとなると、まさに学習性無力感の典型だ。
えっ、にしださん…学習性無力感って、どういう意味ですか?
いい質問だね。学習性無力感とは、本来は“行動すれば変えられるはずの状況”に対して、何度も無力な体験を繰り返すうちに、「どうせ何をしてもムダ」と感じるようになり、自発的な行動や判断を手放してしまう心理状態のことなんだ。
組織の中で“希望が潰され続ける経験”が続くと、人は挑戦する気力を失い、自分のキャリアを諦めるようになってしまうんだよ。
うわぁ…それ、まさに後輩の話そのものですね…。
頑張っても報われない状況が続いたら、「もうどうせダメなんだ」って、そりゃ心が折れますよね。ちゃんと声をあげても、それが無視されたら…次第に何も言わなくなっちゃうの、すごく分かる気がします。
しかも最後は、退職を伝えたら3ヵ月も引きとめにあったそうで…
直属の上司だけじゃなく、「あなたに抜けられたら困る」って囲まれて、嬉しいような、悲しいような…。そして最後にまさかの役員も出てきたそうです。
「たかが一般社員1人の退職で、役員まで出てくることになるなんて」って、後輩は最後に苦笑いしてましたけど…、それだけ“動かない人事”が問題だったってことですよね。
「それなら、最初から異動させてくれたらよかったのに」って後輩は、ぽつりとこぼしていました。
「引きとめは、退職を伝えてから始まる」。
その事実こそが、会社の制度運用が“対話”ではなく“離脱の抑制”に偏っている証拠だよね。
本来、キャリアの希望や不安を語れるのは、“辞めたい”と言う前であるべきなのに…。
引きとめの言葉より、“続ける理由”を一緒に探してくれる関係のほうが、何倍も価値があるんだ。
「異動=成長のチャンス」って言葉、なんだかまぶしすぎて見えなくなりそう。
でも、後輩の経験を聞いて、「制度は正義じゃない」って気づきました。
“花いちもんめ”みたいに人がやりとりされる会社で、誰が本当に育つんだろう…。
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