スーちゃん、今日は「一次感情」と「二次感情」の話をしようか。職場で部下と関わるときに、ここを理解してるかどうかで全然対応が変わってくるんだ。
一次と二次…? 感情って、そんなに“層”があるものなんですか?
あるある。たとえばさ、「怒ってるように見える人」っているでしょ?顔がこわばってたり、言葉がきつかったり…。
あ、いますね…。つい「また不機嫌だな」って思っちゃう…。
でもね、その“怒り”って、本当にその人が一番感じてる感情じゃないことがあるんだよ。
え、どういうことですか?
心理学では「一次感情」と「二次感情」って言葉があってね。
一次感情は、出来事に対して自然に生まれる“素直な感情”のこと。悲しみ・不安・さびしさ・戸惑いとかが代表的。
一方、二次感情は、その一次感情を隠すために“あとから出てくる感情”。
その代表が「怒り」なんだよ。
なるほど…! つまり、怒って見える人は、本当は何か悲しいことや不安を感じてる可能性があるってことですか?
その通り。たとえば、ある会社の部下Aさん。最近、やけに上司に対してトゲのある言い方をするようになってきた。
上司は最初、「生意気なやつだな」「扱いづらい」と感じてたけど、面談をしたときにふと、Aさんが「最近、自分の存在がチームにとって意味あるのか、わからなくなるときがある」とぽつりと話したんだ。
えっ…全然印象が違いますね…。
そう。Aさんは本当は“自信のなさ”や“孤独感”という一次感情を抱えてたんだ。でも、それを素直に出せないからこそ、怒りや反抗的な態度で自己防衛してたってわけ。
そうやって聞くと、「怒ってるように見える人」も、ちょっと見え方が変わりますね…。
そうなんだよ。だからこそ、上司や先輩として関わる側は、「この人、何を言いたいのかな?」「どんな気持ちを隠してるんだろう?」って、“その奥”にある一次感情に意識を向けることが大切なんだ。
でも、それってどうやって見つけたらいいんですか?「本当は寂しいんでしょ?」って聞くわけにもいかないし…。
もちろん、そんな風に直球では聞けないよね(笑)
でも、“関心を向ける姿勢”って、相手には伝わるものなんだ。
たとえば「最近、ちょっと疲れて見えるけど、大丈夫?」とか、「今のやり取りで、何かモヤっとした?」って、相手の“表情や声”を手がかりに、やわらかく聞いてみる。
なるほど、相手が「感情を出してもいいんだ」って思える雰囲気をつくるんですね。
うん。それが、一次感情への“入り口”になるんだ。
一次感情は、とても繊細で、傷つきやすいから、安心できる関係性じゃないと出てこない。でも、そこに触れることができれば、相手も少しずつ素直になってくれるようになる。
“怒ってる人”じゃなくて、“不安な気持ちを持ってる人”として見てあげることが大事なんですね…。
その通り。そしてそれは、部下の成長だけじゃなくて、上司や先輩自身が「信頼される存在になる」ための力にもなる。
感情の表面だけを見て判断せず、「この人、何を守ろうとしてるのかな?」って問いを持ち続けていこう。
怒ってるように見える人ほど、実は“誰かに気づいてほしい”ってサインを出してるのかも…。
私もつい感情の表面だけを見てしまってたけど、今日からは「その奥には何があるのかな?」って考えてみよう。
にしださんの言葉みたいに、優しい問いができる人になりたいな。
部下の怒りや反発に、どう向き合えばいいかわからない…。
それは「伝え方」や「叱り方」ではなく、“感情の奥”を見る視点が必要なときかもしれません。
一次感情に寄り添う関わりは、信頼関係を深め、組織の安心感を高める第一歩になります。
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